鉄鼠の檻・読書中

まだ序盤。気になった文章をメモ。

 慥かに──私は時間貧乏なのだろうと思う。だから反論はしなかった。まったく文豪気分が聞いて呆れる。閑寂たる人生に憧れ、日々ゆとりある時間を求め続けていた癖に、いざそうなってみると一日と保たぬ。然程忙しくもない仕事に忙殺されて、日常の瑣事さえあれ程煩わしかった筈なのに、することがないとなると退屈になる。余程下卑た暮らしが身についているのであろう。

牽強付会(けんきょう-ふかい)
自分の都合のいいように強引に理屈をこじつけること。「―の説をなす」