皇国の守護者 第4巻

皇国の守護者 4 (4)皇国の守護者 4 (4)
佐藤 大輔 伊藤 悠

集英社 2006-11-17
売り上げランキング : 10
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
架空の国「皇国」を舞台に、主人公率いる部隊が味方の転進支援のために最後衛でドンパチする漫画。
実は今月になって1巻から読み始めたばかり。面白かったんで一気に最新刊まで突入ですよ。
この作品は、19世紀から20世紀にあたる時代のような世界で、日本のような架空の国「皇国」とロシアのような国「帝国」が戦争になる話。帝国の戦力が、皇国の領土で北海道のような地「北領」に攻め込むところから話が始まる。この作品が面白いのは、主人公の率いる軍隊は敗軍で、帝国によって北領がほぼ制圧されかかっているところにあると思う。主人公は勝ちに行くのではなく、死なない戦いを強いられているのがポイント。圧倒的な戦力差を受けて敗走しながら、いかに知力を尽くして、味方を守っていくかが見所になっていると思う。剣牙虎(サーベルタイガー)とか龍とかファンタジーな要素が出てくるけど、戦術が話の中心になっているので、そういった仮想の要素はあくまで駒としてでしゃばっていないところが好印象である。
あと、この作品は作画がすばらしい。戦闘に迫力がある。騎馬とか剣牙虎とか、重量感のある動物が勢いを持って描かれている。そして、主人公である新城直衛の表情の描き方が特徴的だ。普段は指揮官として表情を抑えようとしている彼が、時々見せる悪い笑い方がとても印象に残る。このあたり、非常に巧みさを感じる。
それで4巻だが、転進支援のために時間稼ぎをしている期限までの戦いが描かれている。もはや絶体絶命で、誰が死んでもおかしくない状況だが、それでも大事な仲間が死んでいく展開は衝撃的である。
本編が過酷な一方で、巻末のおまけ漫画があまりにギャップが大きいので和める。「シツジキッサ」「シツジキッサ」って何じゃい(´∀`)