冬目景を読もう (via カトゆー家断絶)

冬目景に関する、特に『イエスタデイをうたって』に関するコラム。

友人の漫画雑誌編集者と酒を飲んでいて、確か黒田硫黄の話になって「冬目景という漫画家がいて、黒田硫黄と同じくらい人気があるんだけど、お前知ってるか?」といわれたのだ。粗い描画の作品だけ比べると、両者は絵柄が似ているため、そういう話になったのだと思う。

はっきり言って似てないと思うが(´Д`;) あまりに大雑把なくくりだなぁ。

いろいろ読んでみた結果『イエスタデイをうたって』以上の衝撃を他の作品からは受けなかった。しかし、初期短編集『僕らの変拍子』(幻冬舎)からは、『イエスタデイをうたって』に通じるものを感じたが、知名度の高い『黒鉄』『羊のうた』からは感じないのは不思議である。作風がかなり違うため、『イエスタデイをうたって』は好きだが、『黒鉄』はちょっと受けつけないという人もけっこういると思う。

私の場合、印象が強いのは、
羊のうた』>『イエスタデイをうたって』>『黒鉄』
の順だなあ。
羊のうた』に一番ひかれたのは、紙面から作者が本当に好きで描いているという気持ちが一番良く伝わってくるからだと思う。観念的な話なんでうまく説明できないのだが、例えば主人公の少女にわざわざ和服を着せてみたり、昔風な一戸建てを舞台にしてみたり、そういった作者の興味が詰め込まれた世界観、箱庭みたいなものを見るのが自分にとって楽しいのかもしれない。
同じ方法論を取っているのが森薫の『エマ』だと個人的には思う。方向性は全く違うのだけど、これらの作品および作者には似たものを感じる。この辺をきちんと説明できると面白いと思うのだが、今日はここまで(´∀`)